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2011.12.09
12月9日、県庁3階の会議室で障がい福祉課課長、課長補佐、主管にきょうされん奈良支部の利用者、職員約30人が要望書を手渡しました。
毎年、全国一斉に障害者週間に「がんばるデー」と称し、行っている要望活動です。
利用者からは、「今、住んでいるケアホームをみんなに使ってほしいから、広くしてほしい。トイレ一つだし、お風呂は順番待ち。」「奈良にリニアモーターカーを走らせるのにお金を使わず、障害のある人にお金を使ってほしい。」など切実な願いが話されました。
施設職員は、「子育てしながら仕事がつづけられるようにしてほしい。」と、過酷な労働条件と、離職の多い現状を訴えました。
最後に藤井副支部長から「障害のある人は、制度で暮らしているのではない。この声をきちんと施策に反映してほしい。」と締めくくられました。
担当課からは、「生の声を聞ける貴重な時間。毎年大切な場です。」と感想が述べられました。
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以下、奈良県に対し提出した「きょうされん奈良支部要望書」です。
2011年12月9日
奈良県知事
荒井 正吾殿
きょうされん奈良支部
支部長 麻 まり(公印略)
奈良市古市町529−4ふゅーちゃー内
奈良県への要望事項
I 国に対して以下のことを要望してください。
(1) 障害者自立支援法に代わる新法は「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言」に基づいて制定してください。
(2) 応益負担制度を導入しないでください。
(3) 報酬の日払い制を廃止し、報酬基準額を引き上げること。とりわけグループホーム、ケアホームについては抜本的に是正してください。
(4) 障害区分認定制度は、本人ニーズを軸としたものに抜本的に見直し、それを基準にしたサービス利用の制限をなくしてください。
(5) 障害者福祉関連予算を増額し、必要なサービスが受けられるよう基盤整備をおこなってください。
II 奈良県に対する要望
(1) 奈良県独自の利用者負担軽減措置をおこなってください。
(2) 施設・事業所が適正に運営できるよう、県独自策を講じると共に、人材確保のために支援をおこなってください。
(3) 地域活動支援センターについては、少なくとも移行前の現行制度より補助額を多く設定してください。
(4) 小規模作業所が、新事業体系に移行するまでは、現行の奈良県補助制度を維持してください。
(5) 障害者事業所に対する官公需の優先発注に力をいれてください。社会就労事業振興センターの補助金を継続し、県での職場実習を拡充してください。
(6) グループホーム、ケアホームで、重度利用者が安心して暮らせるよう、複数支援体制のための加算措置をとってください。
(7) 事務量の増加に対する人員配置、経費補填の措置をおこなってください。
(8) 障害者の制度利用を適切に支援できるよう、相談体制や機能を充実させてください。また、実態に合った制度利用が出来るようにしてください。
(9) 地域生活支援事業の利用者負担の実態をつかみ、非課税対象者は無料とするよう、指導、援助をしてください。
III 災害対策について
(1) 非常時における通信手段を確保してください。
(2) 災害時における障害のある人の安否確認システムをつくって下さい。
(3) 被災事業所に適用される国の社会福祉施設等災害復旧費は補助率が4分の3しかなく、全額公費となるよう県の補助をしてください。
(4) 復旧のため閉所を余儀なくされた間は、自立支援給付が途絶えるため、運営費助成をしてください。