2010.07.26
内閣府の「障がい者制度改革推進会議」の総合福祉部会は26日、現行の障害者自立支援法に代わる障害者総合福祉法(仮称)の骨格となる提言の素案を公表した。障害福祉サービスの利用料を公的支援により無料とすべきだなどの考えが示された。だが、厚生労働省は難色を示している。
同部会は障害者団体代表などが中心となって議論している。8月30日に提言をまとめる意向だが、法案づくりは難航しそうだ。
現行法は、一定以上の所得がある人には障害福祉サービスの利用に自己負担を求めている。この点について素案は、相談支援▽手話や点字、携帯電話などコミュニケーション手段▽食事や排せつのための補助用具、住宅のバリアフリー化▽交通費や入場料など社会生活を送るための支援▽労働・雇用▽医療・リハビリテーション−−の6分野を無料とするよう提言し、「障害のある人に負担を課すことは、障害のない人との間に新たな格差と差別を生む」とした。
政府は昨年6月、来年の通常国会に障害者総合福祉法案を提出し、13年8月までに施行する方針を閣議決定している。【石川隆宣】