2012.02.19
障害者自立支援法に代わる新法「障害者総合福祉法(仮称)」の内容をめぐって、厚生労働省の示した素案は不十分だとして、全国の障害福祉関係者から批判の声が高まる中、18日から福井市文京3丁目の福井大文京キャンパスで始まったきょうされん(旧共同作業所全国連絡会)の北陸ブロック交流・研修会でも、障害のある人の声が反映されていないなどとの指摘が相次いだ。
新法については「障がい者制度改革推進会議」が発足し、昨年8月には「骨格提言」が取りまとめられた。
その後、厚労省の素案は、障害者のニーズに応じたサービス提供の仕組みではなく、障害の程度に応じたサービスしか受けられない現行法をほぼ維持したものだった。
この日は、福井市出身で同推進会議議長代理を務めた藤井克徳さん(きょうされん常務理事)が基調講演し、「障害程度区分があるのは先進国の中で日本だけ。厚労省の素案は骨格提言で挙げた60項目のうち、3項目しか受け入れていなかった」と指摘した。
県内外の障害者福祉関係者による意見交換では、きょうされん福井支部利用者部会長の山内敬一郎さんが「障害のある当事者として声を上げていくことが大切」と強調。鯖江市の社会福祉法人「光道園」鯖江事業所長の江守勝さんは「現場は自立支援法で随分混乱した。今度こそ、長く続くしっかりした法を作ってほしい」と訴えていた。