2010.03.29
障害者自立支援法で定める福祉サービス利用料の原則1割負担(応益負担)は違憲だとして 、奈良市在住で知的障害のある小山冨士夫さん(53)が国と市に負担廃止などを求めた訴訟は 29日、奈良地裁(一谷好文裁判長)で和解が成立した。全国14地裁で71人が提訴し、和解 成立は、24日のさいたま地裁に次いで全国2例目で、西日本では初めて。
和解内容は、1月の原告側と国の基本合意に沿って、国は速やかに応益負担制度を廃止し、新制 度を作るなどとし、原告側が訴えを取り下げた。
小山さんは奈良市内の福祉施設に通い、紙すきなどの仕事に携わる。賃金は月額約1万3000 円で、06年4月に同法が施行されてから、月々施設利用料など約3000円と食費約4000円 を自己負担している。
小山さんは和解後に記者会見し、「働くのにもお金を払わなくてはならないのは、絶対におかしい 。新しい法律に期待している。二度と障害者を苦しめないでください」と訴えた。【高瀬浩平】