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2010.06.28
6月28日、きょうされん他障害者7団体が「2010年度 奈良市事業仕分けへの申し入れ書」を奈良市に提出。保健福祉部長に手渡しました。
7月3日から始まる第2次事業仕分けに、「友愛バス優遇措置事業」が含まれています。この事業は、障害者の社会参加を図るため、奈良交通のバス乗車を無料にするもので、年間11500人の障害者が利用しています。
これが、廃止・縮小となれば、障害を持つ人の地域生活に重大な影響が出ることは必至です。
申し入れ書を受け取った保健福祉部長は「真摯に受け止める。事業仕分けも傍聴に来て頂き、障害福祉関係部局とのやりとりを見守って頂きたい」と話しました。
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平成22年6月28日
きょうされん 奈良支部
支部長 麻 まり
奈良市長 仲川げん 殿
平成22年度 奈良市事業仕分けの申し入れ書
平素から奈良市行政のためのご尽力に心から敬意を表します。
さて、この度、平成22年度の奈良市事業仕分けに「友愛バス優遇措置事業」が含まれており、我々として大変遺憾に思っています。
福祉施設で得られる一ヶ月の平均工賃(平成18年度奈良県平均工賃)は、わずか9,861円で、友愛バスが廃止になると少ない工賃の中から施設に通う為に支出しなければなりません。
また、奈良の生活実態(平成21年度 障害者実態調査:奈良県)では、半数(47.7%)が「生活するのにぎりぎりの収入/生活費が不足」と報告されています。
昨今、障がい者制度改革推進会議(第一次意見:平成22年6月7日)では、「障害者が、日常生活又は社会生活において、公共的施設・設備、交通機関等を円滑に利用できるようにすることは、障害者の社会参加を促進する観点から不可欠である。」として、「建物利用・交通アクセス」の項でまとめています。
そして、総合福祉部会会議において新法策定に向けて障害者権利条約を盛り込むことを検討していますが、《権利条約 第二十条》「障害者が、自ら選択する方法で、自ら選択する時に、かつ、妥当な費用で個人的に移動することを容易にすること。」とされています。
障害を持つ人の社会への完全参加が叫ばれる時代と逆行するもので、この事業の縮小や廃止は、いかなる理由があろうとも認められるものではありません。
きょうされん奈良支部は、これらの理由から以下の申し入れを行うものです。
善処されますようお願いいたします。
記
1.友愛バス優遇措置事業を平成22年度奈良市事業仕分けの対象外とすること。
2.今後も本事業を継続し、より一層の充実を図ること。
以上