2012.03.01
民主党の厚生労働部門会議(座長・長妻昭元厚労相)は二十九日、障害者自立支援法の改正案を了承した。二〇〇九年衆院選マニフェストで明記した自立支援法の廃止は見送った。政府の「障がい者制度改革推進会議」の総合福祉部会が昨年提言していた障害福祉サービス利用の「原則無料化」も改正案には盛り込まれなかった。
厚労省は今国会に改正案を提出する。施行は一三年四月。同省は改正案について、法律の理念に「共生社会の実現」などを加え、名称を「障害者総合支援法」と改めることから「自立支援法の事実上の廃止」と位置付けているが、この日の部門会議では異論が相次いだ。
また、同部会はサービス利用の原則無料化を提言していたが、現状でも低所得者には軽減措置があり、既に九割近くの人が無料となっているとして、今回は見直さない。
自立支援法をめぐっては、同法違憲訴訟の和解時に国と元原告らの合意文書に「廃止して新法をつくる」ことが盛り込まれ、改革会議の部会も新法制定を目指していた。