2010.09.10
障害者の福祉サービス利用に原則1割の負担を課した障害者自立支援法は違憲だとして、国を相手取って提訴し、3月に同法廃止を約束する和解を勝ち取った元原告の小山冨士夫さん(53)や支援者らが、訴訟を振り返る「奈良・障害者自立支援法訴訟の闘い 真の自立をめざして」(A5判、127ページ)を出版した。
執筆したのは、小山さんをはじめ、障害者や弁護士ら25人。小山さんの意見陳述書や日記からは「障害者の代表として、がんばっていきます」と果敢に訴訟に挑む一方、「なんぼ合意書があっても、こんどの選挙でまけて、ひっくりかえるようになったらこわいな」と不安な気持ちを抱く様子も伝わってくる。
原告代理人の佐々木育子弁護士は提訴前からの流れを振り返り、1年という短期間での「勝訴的和解」を評価。「基本合意は国のした約束ですから、これを守らせるように、あくまで運動を盛り上げていかなければならない」としている。
1千円(税込み)。問い合わせはきょうされん奈良支部へ。
(2010年09月10日 朝日新聞 朝刊 奈良全県・2地方 026)