2010.11.28
◆障害者自立支援法「改正」法案は参議院で廃案にしてください
(2010 年11 月28 日)
参議院議員 各位
きょうされん 理事長 西村 直
わたしたちは、「障がい者制度改革推進本部等における検討を踏まえて障害保健福祉施策を見直すまでの間において障害者等の地域生活を支援するための関係法律の整備に関する法律案」(以下、自立支援法「改正」法案)に対し、強い憤りと深い疑念をもって、反対します。
第1 に、またしても自立支援法「改正」法案が政治の駆け引きの道具とされたことについてです。
9月以降、与野党3 党が多くの障害者団体へヒヤリングを行いました。しかし、補正予算審議の委員会開催などを条件に、当事者や関係団体の意見を聞かずに第174 回常会に上程され、廃案となった自立支援法「改正」法案を再上程し衆議院で可決したことは、わたしたちの声を無視したも同然です。
政治の駆け引きの道具として、障害のある人たちの命と生活に関わる法案が使われることは、国政への信頼の失墜、強い憤りならびに疑念を抱かざるをえません。
第2 には、2013 年8月までに自立支援法の廃止と新法制定を、司法上の和解にて調印し、またその方針を閣議決定した国(政権与党)が、自立支援法の延命に手を貸し、復活の道をつくる法案の可決に賛成したことです。自立支援法「改正」法案の原案は、2009年の国会で廃案となった厚労省が作成したものであり、自立支援法廃止と新法制定が国の方針となっていなかった時期のものです。また「改正」法案は多くの条文の施行期日が2012 年4 月とされており、新法施行までわずか一年余しか
ありません。施行期日が介護保険法定時改正時期と重なることからも、疑念を抱かざるをえません。
いまもっとも求められていることは、障害者権利条約の精神に立って新法制定と障害者制度改革について、しっかりと議論することです。新法実施までに行うべきは、障がい者制度改革推進会議が政府に要望した「4つの当面の課題」の実施であり、自立支援法「改正」法案ではありません。
つきましては、参議院議員の皆様におかれましては、良識の府としての権威を発揮し、以下の要望についてご高配くださいますことを、何とぞお願い申し上げます。
記
一、 自立支援法「改正」法案については、本院において廃案にしてください
二、 新法の施行までに解決すべき問題点については、障がい者制度改革推進会議・総合福祉部会が首相に提出した「4つの当面の課題(※)」であり、これらは政省令の見直しや予算措置等において実現をはかってください
※ (1)利用者負担についての見直し、
(2)法の対象となる障害範囲についての見直し、
(3)地域において自立した暮らしを行うための支援の充実、
(4)新法制定の準備のための予算措置
<問い合せ先>
きょうされん事務局
事務局長 多田 薫
〒164−0011 東京都中野区中央5−41−18−5F
TEL 03-5385-2223 / FAX 03-5385-2299