2010.08.22
◇原告小山さんの手記や経過掲載
今年3月、奈良地裁で和解が成立した障害者自立支援法訴訟を支援した「障害者自立支援法訴訟の勝利をめざす奈良の会」が、冊子「奈良・障害者自立支援法訴訟の闘い 真の自立をめざして」を発行した。原告の小山冨士夫さん(53)=奈良市=の手記、訴訟の経過や意義、今後の課題などを盛り込んでいる。
小山さんが「二度と障害者を苦しめることがないようにしてください」と訴えた意見陳述を掲載。池田直樹弁護団長は「障がいのある人の地域で生きる権利を勝ち取っていくためには、今後とも絶えることのない運動が不可欠」としている。福祉関係者、大学教授らもメッセージを寄せた。
訴訟は同法で定める原則1割の応益負担は違憲だとして、小山さんが昨年4月に提訴。今年1月に原告団と国が、同法を廃止し、新しい福祉法制を実施すると基本合意したことを踏まえ、今年3月29日に和解が成立した。
小山さんは、裏表紙に「国が本当に約束を守ってくれるか、ちゃんと見とどけます」とのメッセージを添えた。「国の方向性がはっきりしないので心配だ。多くの人に読んでもらい、活動の輪に入ってほしい」と訴えている。
冊子はA6判、128ページ。1000円(送料別)。
問い合わせは同会。【高瀬浩平】