2012.03.06
厚生労働省が成立を目指す「障害者自立支援法」の改正案について、同法の違憲訴訟を起こしていた訴訟団は5日、「訴訟団と国の間で結ばれた基本合意が反映されていない」として、全国14都道府県で一斉に抗議の会見を開いた。県内でも訴訟団の奈良支部が会見し、「基本合意を反故(ほご)にされた」などと訴えた。
同法をめぐっては「障害者の生存権を無視し、憲法に違反している」として平成20年、全国14地裁で障害者らが一斉に集団提訴。22年に訴訟団と国の間で、同法の廃止などを盛り込んだ基本合意が交わされ、和解した。
しかし厚労省は、同法の改正案を国会に提出する構えで、訴訟団は「改正案は実質的には法の延命で、基本合意に反している」などと反発している。
奈良市の奈良合同法律事務所で会見した訴訟団奈良支部の元原告の小山冨士夫さん(55)は「基本合意に基づいた法律の実現を」などと訴えた。