2010.08.02
福祉サービスの利用者負担を障害が重いほど負担が大きくなる「応益負担」から支払い能力に応じた「応能負担」に変更する障害者自立支援法改正案について、現行の支援法違憲訴訟の元原告・弁護団は2日、「当事者の意見を聞いていない」として、与野党に再提出しないよう求める声明を出した。
厚生労働省内で会見した元原告・弁護団は、▽改正案は適用期限を明記しておらず、現行の支援法延命になりかねない▽応益負担が残るおそれがある−−などと指摘した。
元弁護団長の竹下義樹氏は「再提出を明言する議員もいる。和解にあたり『障害者の意見を聞く』とした政府と原告の基本合意を踏みにじる動き」と批判した。
改正案は、現行支援法廃止と「障がい者総合福祉法」(仮称)実施(13年8月)までのつなぎの位置づけとされている。通常国会で成立予定だったが、鳩山由紀夫前首相の辞任に伴い、廃案となった。【野倉恵】