2010.08.30
障害者自立支援法に代わる新たな障害者総合福祉法(仮称)の素案が30日、内閣府の作業部会でまとまった。福祉サービス利用の際の利用者負担を原則無償にすることが柱。厚生労働省はこれをもとに法案化を進め、来年の通常国会への提出を目指す。ただ、同省内に異論も強く、実現性は不透明だ。
2006年施行の自立支援法は、利用したサービスの一律1割負担が原則。利用が多い重度者ほど負担が重くなる仕組みのため、障害者の反発を受け、昨年末の法改正で支払い能力に応じた負担割合に変更。来年4月から実施される。
ただ、自立支援法は13年8月までの廃止が決まっている。素案を示した作業部会は、メンバーの過半数を障害の当事者とする内閣府の障がい者制度改革推進会議に設置。当事者の声を反映するため、この会議で新しい仕組みを検討している。
素案では、サービスの費用負担について食材費や光熱水費を除いて「原則無償」と明記。必要なサービスとして、手話や点字などコミュニケーションや、日常生活を送るための補装具など6分野を挙げた。ただ、「無償では国民の理解が得られるのか不安」という意見もあり、「高額な収入のある者には収入に応じた負担を求める」とした。