2012.02.07
厚生労働省が今国会に提出する障害者自立支援法改正案の概要が7日、判明した。2013年4月施行を目指し、障害福祉サービスを受ける前提となる「障害程度区分」の在り方に関し施行5年後をめどに見直すほか、法律の名称を改める。
自立支援法をめぐっては、民主党が09年衆院選マニフェスト(政権公約)で廃止を主張。同法違憲訴訟の原告と国が10年の和解時に交わした合意文書にも「廃止と新法の制定」が盛り込まれた。厚労省は今回の改正案を「事実上の廃止」としているが、元原告らの反発を招きそうだ。
同省は自立支援法を廃止した場合、すべてのサービス事業者を指定し直す必要があり自治体や事業者の負担が増す上、新法制定には野党の協力が得られないと判断。法律の理念に「共生社会の実現」「社会的障壁の除去」を明記して、自立支援法にみられた「自己責任」の色合いを消し、法律名も変更することで理解を得たい考えだ。具体名は今後検討する。
改正案によると、現在6段階ある障害程度区分は精神、知的障害者の場合、支援の必要度が低く判定されるケースが多いことから、施行5年後をめどに見直す。就労支援の在り方も同時期に再検討する。サービスの対象者に政令で新たに定める難病患者を追加する。
サービス利用料は、既に実現した改正で4月から所得に応じた「応能負担」と規定されるため、今回は見直さない方針。3月までは、受けたサービス量に応じた「応益負担」が原則だが、軽減措置により利用者の85%が無料となっている。