2009.07.27
政府は21 日午前の定例閣議で衆議院の解散を決め、これを受け同日午後に開かれた本会議で衆院が解散した。解散に伴い、「障害者自立支援法等の一部改正法案」などが廃案となった。
定例閣議で麻生太郎首相は「未来に向かって安心と活力ある社会を責任をもって実現しないといけない。そのためには国民のさらなる理解と協力が必要で、解散を断行して国民の信を問うことにした」と衆院解散を正式表明。解散詔書を閣議決定し、全閣僚が閣議書に署名した。
本会議では、河野洋平・衆院議長が詔書を読み上げ、「憲法7 条による衆院解散」を宣言。郵政民営化の是非を争点に小泉純一郎首相(当時)が2005 年8 月に行って以来4 年ぶり、現憲法下では 21 回目の解散となった。選挙は8 月18 日に公示、同30 日に投開票される。
衆院解散により、政府が提出した17 法案、議員立法で提出された法案が廃案となった。
政府提出法案のうち福祉関係では、障害福祉サービスの費用を原則1 割負担とした規定を見直して利用者の収入に応じた負担に改める「障害者自立支援法等の一部改正法案」、日雇い派遣を原則禁止する「労働者派遣法改正法案」などが廃案となった。
議員立法では、障害者虐待を防止するために与野党が9 日にそれぞれ提出した「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援法案」、「障がい者虐待の防止、障がい者の介護者に対する支援法案」のほか、障害者就労施設に対する仕事の発注などを促す「国等による障害者就労施設からの物品等の調達推進法案」、生活保護の母子加算を復活させる「生活保護法の一部改正法案」、父子家庭に児童扶養手当を支給する「児童扶養手当法の一部改正法案」、児童ポルノ写真などの単純所持を禁止する「児童買春・ポルノ処罰法改正法案」などが廃案となった。
なお、政府は今国会で障害者権利条約批准の承認を求めるとしていたが、国会提出はされなかった。