2012.03.13
政府は13日、現行の障害者自立支援法に代わる障害者総合支援法案を閣議決定した。基本理念に「共生社会の実現」などを盛り込み、難病患者を障害福祉サービスの対象とする一方、サービスの原則無料化は見送った。一部を除き来年4月1日の施行を目指す。
サービスを受ける際に必要な「障害程度区分」の認定方法や、支給決定のあり方を法施行3年をめどに見直す。14年4月からは重度訪問介護サービスの対象を重度の知的・精神障害者にも広げる。
現行の自立支援法を巡っては、障害者らが全国14地裁で違憲訴訟を起こしたが、長妻昭厚生労働相(当時)が廃止を明言して原告側と基本合意し、和解した経緯がある。総合支援法は自立支援法の枠組みを基本的に踏襲し、同法の一部改正案の形式を取っていることから、障害者団体などは「約束違反」と猛反発している。
一方、政府は「名称も理念も新たにした新法で自立支援法は事実上の廃止」と説明している。しかし、閣議決定を受けて13日に厚労省で記者会見した元原告・訴訟団は「基本合意を無視され、到底納得できない。国会での審議の中で、基本合意を実現させる闘いを続ける」などと政府を批判した。 【石川隆宣】