2013.01.08
福祉サービス利用料を原則一割自己負担とした障害者自立支援法は、生存権を定めた憲法に違反するとして、二〇〇八年から各地で集団訴訟を起こした「障害者自立支援法違憲訴訟団」は七日、厚生労働省が同法廃止を確約した「基本合意」から三年を記念した集会を参院議員会館で開いた。四月施行の障害者総合支援法(改正障害者自立支援法)は基本合意の内容が反映されたと言い難く、さらなる見直しを求め今後も運動を続けていくことを確認した。
障害者や支援者七百五十人が講堂を埋め尽くした。「障害が重いほど負担が増し、工賃を上回る」「利用者が減少し経営が成り立たなくなった作業所の閉鎖や合併が相次いでいる」など現状を憂う発表があった。
集会後の記者会見で事務局長の藤岡毅弁護士は「基本合意は障害者福祉のあるべき姿を確認した公文書。今は約束違反の状態にある」と述べた。この日は首相と厚労相あての要請書を提出し、厚労省側との定期協議の場の設置を求めた。
障害者自立支援法は、自民党の小泉政権の〇六年施行。民主党政権の一〇年一月、違憲訴訟団と厚労省の基本合意を受け、和解が成立した。しかし、総合支援法は、基本合意にうたった「介護保険優先原則の廃止」などを盛り込まず、訴訟団ら関係者に「基本合意をほごにし、裏切られた」との思いが強い。 (小形佳奈)