12月9日県主催で内閣府障害者政策委員の佐藤久夫氏による講演とシンポジウムが行われました。きょうされんが加盟するNDF(奈良障害フォーラム)準備会も企画協力しました。
講演では、骨格提言と総合支援法の落差が改めて確認でき、制度のほころびを各地で改善させる運動が生まれている例、専門職団体との連携が大きな力になることなど、これから地域で運動を進めていくうえで大切な視座を多く学べました。今では障害の種別を超えて力を合わせることが当たり前になってきていますが、国際障害者年以前では、とても困難な状況にあったこと…。
― 国民の意識も着実に -
大局的にみると、日本の障害者施策、運動、そして国民の意識も着実に変わってきているし、世界を見渡せばさらに、変わっていく展望が開けます。
40年近くにわたり障害者福祉を研究されてきた佐藤先生だからこそ聞けたお話もたくさんありました。
シンポジウムは、育成会が意思決定支援を、精神家族会は精神科病院協会などと連携した福祉医療拡充の運動を報告し、施設協会も総合支援法の課題とともに昨年の台風被害から障害者の災害対策について発言。
差別禁止の会は、奈良での自立生活運動の経緯をふまえた条例制定運動について発言されました。どれも現場、現実の大変さがよくわかり聞き応えがありました。
混沌とした政治状況にあって、制度改革の行方に不安も尽きませんが、骨格提言を羅針盤に地域で地道に運動をすすめていくことの意義を多くの参加者と共有できる研修でした。(小針康子)