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著者:東田 直樹 出版社:イースト・プレス
いろいろな意味で驚かされた一冊です。この「驚かされた」という言葉自体、いい表現ではないかもしれませんが。自閉症の症状自体多様で、この本に書かれていることは一例でしかないのかもしれませんが、それでも自閉症の方が、どのように考えているのか、また感じているのかがわかりやすく書かれています。
東田さんは、言葉がうまく話せないため、挨拶はとても難しいコミュニケーションだけれど、「好意を持っています」という合図のようなもの。と書いています。東田さんの目には、人も風景の一部となって飛び込んでくるそうです。その時一番関心のあるものに心を動かされると。もし、東田さんにとって、「人」が一番好意を持てる存在なら、東田さんは挨拶がとても上手な方だったかもしれません。
少し皮肉めいたことも書きましたが、自閉症の方を知るためのきっかけ的な一冊です。 (中井 雅之)