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SSTとは「社会生活技能訓練」と呼ばれています。著者の土屋徹さんの勤務している病院内、また様々な施設での経験談をわかりやすく紹介しています。
SSTの内容は「支援者が代理行為をする」ではなく、「当事者がしたいことができるように支援する」ということであり、支援者から「コレがしたいの?」と聞く前に当事者から「コレがしたいです」と言って行動を促していくことを訓練する内容のようです。週1回同じ日の同じ時間同じ場所にSSTをグループ(2人以上)で行うことで効果が出るようです。
まず当事者からテーマ(困っていること)を出してもらう。そして、それはどうして起きるのか、どうしたら解決するのかを当事者から発言してもらいます。支援者はそれらをうまいこと言えるように引き出して話を進めます。結果、「こうしたらいいかもしれない」という答えが出てきます。それをグループ内で実践します。演劇の要領で行うことで、いざ実行するときの訓練になります。
SSTを簡単に説明しましたが、これ以上のこともいっぱいあるようで、奥が深いです。また著書の最後にはSST即戦力マニュアルもあり、各施設でも試しに出来るようになっています。精神障害分野でよく取り上げられて実践されているようですが、障害問わず誰にでも実践出来る訓練であると読んでいて感じました。(前史範)