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未曾有の被害を出した東日本大震災から3ヶ月が経とうとしています。きょうされんは岩手、宮城、福島に全国から支援部隊を送り、6月8日現在で、約420人が現地に入りました。日本障害フォーラム(JDF)被災地障がい者支援センターを拠点にいろいろな障害者団体とともに活動し、奈良からも2名を福島に派遣しました。
私が赴いた4/29〜5/5には福島県南相馬市で障害者手帳保持者の全戸訪問調査を行いました。原発事故の危険にさらされながらも過酷な避難生活に耐えられず、警戒・危険区域に多くの障害者が戻ってきており、ゴーストタウンの中一度も避難しなかった障害者も相当数いました。戻ってきても総合病院や福祉サービスは閉鎖され、物流も回復していないため、医療難民、介護難民、買物難民が続出し、障害の重度化とともに、新たな命の危機に直面している実態も。施設ごと他県に避難しているところは付き添いの職員が足りず死亡事故も頻発していました。今回の調査は、個人情報保護の壁はありつつも「まずは障害者の実態をつかむ」とした南相馬市の英断の下、JDF被災地障がい者支援センターふくしまと、唯一開所した「デイサポートぴーなっつ」と協力して行われました。ミーティングには市福祉課も同席し、困難ケースへの対応が図られたり、相馬地域での精神科医療再建の話し合いが持たれたりしました。が、まだまだ「人」の支援は足りず、とりわけ在宅医療チームなど地域生活支援の部隊が必要です。
厚労省が全国で募集した応援登録職員1800人は、僅か118人(活動中は46人 5月16日現在)しか派遣されていません。障害者自立支援法の仕組みに縛られ、応援職員の人件費が被災地の事業者負担とされているためです。自立支援法は被災地の事業所再建にも重大な足かせをはめています。救援活動、復旧、復興に障害者問題がきちんと位置づけられるためには真の制度改革が求められています。 【文責 小針 康子】