『病棟から出て地域で暮らしたい 精神科の「社会的入院」問題を検証する』
藤井克徳 長谷川利夫 増田一世 著 やどかり出版
本紹介
病棟転換型居住系施設について書かれたブックレット。
藤井氏、長谷川氏、増田氏それぞれの視点から「この構想から浮かび上がる問題点」「構想が決定されていく時、裏側では何があったのか」「これから私たちは何をすれば良いのか」がつづられています。
読み進めていくと、この構想がある日突然現れたものではなく、精神障害分野の歴史と共に様々な思惑がうずまいていたことが分かっていきます。
私は増田一世さんの「改めて当事者から学ぶ視点を」という箇所が印象に残りました。
病院の中で眠っている力は、地域の中でこそもう一度取り戻すことができる。病棟転換型居住系施設のあり方に対し、自分たちの役割を意識できる一冊です。
(鍵山 奈緒子)