画像クリックで拡大
11月26日、社会福祉事業のあり方セミナーin関西(日本障害者センター「社会福祉事業のあり方検討会」社会福祉事業あり方セミナー関西実行委員会主催)があり、『守るべき社会福祉事業と経営のあり方~子ども・障害・高齢福祉の今後~』と題したセミナーがありました。
基調講演では、「『改正』社会福祉法の狙いと問題点」と題し、日本障害者センター理事長の峰島厚さんの講義があり、我が事、丸ごと地域共生社会ビジョンの重要な柱と改正社会福祉法について触れられました。福祉の全世代・全分野の多様なニーズや複雑なニーズに応える=「丸ごと」ではなく、これまで蓄積してきた分野ごとの専門性など総動員の中でこそ応えられるものであること、そのためにも専門機関の対等な連携づくりが重要な課題になってくることなどが話されました。また、社会福祉法改正の狙いとして、
(1)経営の企業化を法定(社会福祉法人の公的性格の後退)
②福祉の産業化(営利第一の大規模優遇と小規模淘汰)
が挙げられ、多様なニーズや複雑なニーズに応える=多角経営ではないと話されました。
今後、
(1)権利としての福祉を公的責任を拡充しつつ守る連携
②現代の「多様な複雑なニーズ」に応える総合的包括的取り組みを進める連携
③地域に根ざした、利用者と住民の願いが込められた事業理念と経営を守る連携
が大切になってくるようです。
セミナーでは、他にも「本来の社会保障・社会福祉について改めて考える」と題し、佛教大学名誉教授の濱岡政好さんの講義がありました。社会保障制度審議会の50年勧告や95年勧告に触れながら、根本に立ち返って社会保障・社会福祉を振り返り、「商品化」「市場化」に抗して社会保障・社会福祉の公共性を取り戻すには、社会福祉法人を共に担っている一人ひとりが、その使命と戦後の社会福祉の歴史の中で果たしてきた役割に確信を持つこと、社会福祉法人のみがもつ生命力を自覚化する必要があることなどが語られました。
今回のセミナーで学んだことをきょうされん奈良支部内でも共有し、私たちがどう受けとめどう動いていかなければならないのか、きちんと考える機会になればと思います。
(スペースTAKU 東本 ちひろ)