数年ぶりのきょうされん研修会が、2月28日(土)に文化会館で開催されました。
今回の研修は、「障害のある人の生き方とその支援のあり方」を大きなテーマにして、
<障害のある人と生と性(千住真理子氏)>と<きょうされんと作業所づくり運動(鈴木英夫氏)>の二つの講座を開催しました。
◆ 第1講座の千住先生は、20年間にわたり障害児教育に関わっておられ、学校だけでなく地域でも支援センターの人たちと一緒になって大人の障害のある人たちへの性のセミナーを3年前から始められています。これらの経験の中で、
・ この経験をもとに、障害のある人の性教育は、多様な性、人間の成長、男と女、恋愛、性交、結婚、妊娠、避妊、性被害・加害者、デート、障害の学習など広範囲にわたり、人権に関する大切な学習である。情報の限られている障害のある人たちこそ学ぶべきで、「寝た子を起こすな」ではなく「科学的に起こしていく」ことが大切である。
・ 「快・不快」「気持ちがいい・悪い」の感覚がわからないと「いや」ということは難しい。「心地よい体験」をいっぱい積み、「あなたのこと大好き」という言葉やメッセージをつなげていくことが大切である。
・ 今年から保護者の参加が多くなっている。保護者にも「性問題」で悩み困っている人が多く大切な課題である。
・ 障害のある人は「自分のからだを知る性教育が大好きで」あり、機会を多く作る必要がある。しかし彼らの性については周りの理解が進まなくてはダメであり、地域で考えてほしい。
◆ 第2講座の鈴木氏は、吹田市のさつき福祉会の理事長でありきょうされん運動でも中心的な役割を果たしてこられた経験をもとに語られました。「働きたい」「友達がほしい」という願いからはじまったきょうされんの歴史は、今日では障害をもつ人たちと家族の人たちの社会参加の大切な場であり、社会を変えていく大きな力となっている。
他方、作業者が大きくなるにしたがって作業所に勤めるという職員から、障害者とともに実践・運営・運動を作り上げる主体的な職員を目指すことが大切である。
また、最後の懇談会にも参加され交流を深めました。
どちらの講座も今日の情勢と課題に見合ったものだと思います。特に千住さんの地域でのセミナーの教訓は、奈良でも実施してみたいと思いました。今回は、保護者や養護学校教師などの新しい人も参加されましたが、参加者が20人程度でもったいなかったと思いました。
(きょうされん奈良支部副支部長 藤井 正紀)