安居楽業=「安居」は安心して暮らしているさま。のんびり、安らかな様子の意。「楽業」は仕事を楽しんでいるさま。世の中が平穏で、生活も安定していることをいう。
障害のある人もない人も、誰もが安心して地域の中で暮らせる、「安居楽業」の様でいられるにはどんな“ささえあいとつながり”があるのか、情勢や権利条約の解説、相談活動の現場からの報告と問題提起など広義から狭義にわたる幅広い研修内容の2日間。
とりわけ「国連・障害者の権利条約」を軸にした講義内容が印象的でしたので報告させていただきます。日本国憲法や法律・政令・条文・理念・原則・・・など堅苦しい言葉が出てくると、どう現場と結びつけたらよいのか、戸惑ってしまいます。少なくとも私は読んでみて、どのように解釈すべきなのか途方にくれてしまいます。
条約や憲法はひとつのツールであって、それを深く読み込む必要はないそうです。日々の生活の中で、もっと改善されたらいいのに!なぜ人として当たり前のことが保障されていないのだろうか?など様々な疑問、問題にぶつかります。その疑問、問題を条文に照らし、手がかりを発見し、新しいものを作り出し解決していく。それこそが運動であり、条約を生きたものにしていくそうです。かの有名な朝日訴訟も健康で文化的な生活の基準は?といった問題提起から、生存権(憲法25条)に力をつけ、今日の生きた憲法にした運動のひとつです。
障害者権利条約の前文にも
・肉体的障害が障害ではなく、環境こそが障害である。
・人として対等であり、社会にとって利用しやすい、しにくいの差があってはならない。
・障害を持つ人もそうでない人も主権者である。
・特別扱いする社会の感覚が間違っている。 と述べられています。
今後国がどのように権利条約を具体化していくか、その作業を障害者制度改革推進会議が進めていく。
今話題のキーワード、ディセントワーク、福祉的就労や合理的配慮を社会に根付かせるには、引き続き実践の中から見えてくる問題を提起し、運動していくことが大切である。と大変勇気づけられた講演でした。
きょうされんは30数年前、地域の中で困っていた人の場所作りから始めました。それを制度として認めさせる運動を粘り強く続け今日に至っています。その歴史こそが“ささえあう”の原点であり、そこから学び、また条約を元に新しい制度創造や運動の課題を明らかにし、日々の実践を明るいものにしていけたらと思います。
きょうされん 賛助会員大募集中!!!!!!!
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安居楽業ゼミナール、講義スタイルですが有意義な内容です。興味のある方ぜひ参加されてください。ナイトゼミナール、フリーカメラマンの講義、非日常的で楽しかったなぁ。旅したい。(梅田 玲輔)