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第16回きょうされん奈良支部総会が4月28日に開催されました。
記念講演、赤松英知きょうされん常務理事をお招きしました。
テーマは「障害者権利条約をわたしたちのものに」でした。
参加者は、施設職員、当事者、家族、行政書士、石川支部の方など多彩な顔ぶれでした。
障害者権利条約は、2000年から2006年まで国連で特別委員会が組織され、
2006年12月13日に国連の総会で採択された条約です
(日本は2014年1月20日に批准)。
障害のある人が、障害のない人と平等に社会の一員として
尊厳を持って生活することできるような社会を
目指すことを目的としています。
つまり、差別があるから条約が必要なのです。
また、条約批准後にどれだけ障害者施策がなされたかを政府には
報告義務があります。しかし国連は、政府の報告だけでなく民間からの報告も求めており、それがパラレルレポートと言われるものです。現在、このレポートは、JDが中心となりきょうされんも参加して書き上げている最中です。
赤松英知さんのお話は、非常にわかりやすくかみくだいてのものでした。
上記の概略の後、支部利用者部会あかつきを代表した3人との意見交換が行われました。
「障害を持っていることでバスの奈良市内無料などは特別扱いをしてもらっているのではないか」「公共の動物園の入場が障害者手帳で無料になることで、冷たい視線を感じてしまう」など、普段の生活で感じていることをどのように消化すれば良いかを尋ねました。
赤松氏は権利条約と照らし合わせてこれらの質問に答えられました。
先ず、28条では「障害者本人と家族の生活水準を守る必要があること、
貧困の状況で生活している障害者や家族に国の援助を利用することができる」こと、
8条では意識の向上として「国の責任で理解を深める必要がある」こと、
20条には個人の移動について等が記されています。
わが国は権利条約を批准し、障害者差別解消法、障害者虐待防止法などが制定されていますが、
まだまだ障害者への理解や合理的配慮がなされているとは、言い難い状況です。
今後も当事者活動や支援者の運動が大切だと思われます。
(支部長:麻まり)