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あとりあ井上 岳
8月8日(木)~8月10日(土)の3日間福島で荒彫塾の後期セミナーに参加してきました。荒彫塾は次世代を担う若手を全国の支部から募り、2年間かけて研修を行いきょうされんの活動、それぞれの職場に還元するという目的をもった研修です。
今回も全国から北は青森、南は鹿児島から塾生9名が無事集まることができました。
私は7期生としてこの研修に参加させていただいています。
今回の目的としては2011年3月11日に東日本大震災が発生した際、障害者施設が
どのような現状があったか、どのような対応をしたか、被災者の思い、を視察しに
行くというものです。きょうされんが作った「星に語りて」を観ておくという
事前学習がありました。
1日目は、小野浩常任理事から「いのち・人権ときょうされん」というタイトルで
講義を受けました。主に旧優生保護法の問題点、歴史、裁判を中心に講義して
いただきました。
その中に「やまゆり園事件」の話がありました。
植松被告の異常性に焦点があたっているが、やまゆり園の別のスタッフが書いた日常の業務記録にもポジティブな要素が全くなかったということが衝撃でした。
やまゆり園事件が起きた原因がそこにあるかは分からないが、植松被告の思想を助長していたのは間違いないと感じました。私も記録を書く時に意識はしていませんが、自然にポジティブなことを書いていることも多いです。
その気持ちの元をたどるとメンバーが何か新しいことができるようになったり、
できなくなっていたことができるようになった時に嬉しいと感じるからだと思います。
それがやまゆり園にはなかったのだと思います。スタッフのやりがいも仕事に対する
プロ意識もなかったのかもしれません。やまゆり園事件までにはならなくても、
どんな施設でも虐待や人権侵害の恐れはあると思います。
どうしたら私の施設の中でメンバーが居心地よく過ごせるようになるか、何が出来るようになれるかなど常に意識していたいと思いました。
2日目は二本松にある「コーヒータイム」、南相馬の「ビーンズカフェ」、楢葉町の「シェルパ」にバスでそれぞれ向かいました。3施設をまわり、話を聞きましたが、
どの方からの話でも感じたことは「やるしかない」という思いでした。東日本大震災が起きて福島を去っていく人も多くいたとのことでしたが、残った人たちは震災直後は悲しい事実がわかったり傷ついたりしながらも徐々にいろいろなことが回復していったりしたといいます。何かできるほどに落ち着いた時に思ったのが
「やるしかない」だったそうです。その「やるしかない」という言葉の中にはいろいろな意味が含まれるとは思いますが、僕は「なんでもやろう」という思いも感じました。
「星に語りて」でも描かれていましたが、支援に貴賎を作らずにできることを皆さんがしていたそうです。その「おもい」というのは、支援者としてとても重要な感覚で、困っている人がいたら助けるという当たり前のことではありますが再確認する
ことができました。
今回の研修では自分の中で今後の支援をしていくうえでとても重要なヒントが多く
あったようにおもいます。できるだけ色々な方にこの研修の内容を伝えていきたいと思います。