社会福祉法一部改正法案について、きょうされんは反対を表明しました。その理由は、表のとおりです。
(1)行政コストの削減をめざした公益法人制度改革の延長としての改正であり、社会福祉の公的責任を大きく後退させる。
②地域法益活動の義務化は、本来制度によって対応すべき福祉ニーズを社会福祉法人に肩代わりさせることにつながる。
③内部留保について正確な実態調査がなされておらず純資産と事業の継続に必要な額の差額を余裕財産とみなすのは実態を踏まえない暴論である。
④社会福祉法人の広域化、大規模化によって地域に根差して活動する小規模法人の活動が困難になる。
⑤職員退職手当共済制度の公費助成をなくすことでさらに福祉人材確保が困難になる。
他の社会福祉団体とともに厚生労働委員宛のFAX要請運動や、議員要請行動を行なってきました。
7月10日の衆議院厚生労働委員会および、衆院本会議では、きょうされんの赤松英知常務理事が、民主党推薦の参考人として法案の問題点を指摘し、慎重審議を訴えました。
他にも自民、維新、公明、共産推薦の意見陳述が行なわれましたが、どの立場の参考人にも共通したのは、
(1)社会貢献活動はこれまでも社会福祉法人は行なってきており、制度の谷間を埋める活動をつうじて現在の法制度を充実させてきたという歴史的認識がある。
②「内部留保」は余剰の利益ではなく、その定義も曖昧であり、今回の法改正議論の根拠としては不適切である。
ということでした。
議論を重ねる中で、法案の立法根拠自体が揺れていることがだれの目からも明らかになったことは運動の成果といえます。しかし、衆院本会議では多数で可決され、参院に回されました。参院厚生委員会では労働者派遣法や医療法改正で審議時間がいっぱいとなり、10月以降 開催される臨時国会で改めて継続審議されることになりました。
この間の運動の成果に確信をもち、廃案に向けた秋からの取り組みが大切です。「憲法25条に基づく社会福祉事業を守り拡充することを求める請願署名」の推進が改めて提起されています。併せて、「10・28=人間らしく生きたい=25条大集会」を成功させましょう。
多彩で幅広い著名人が呼びかけ、10月28日(水)に日比谷野外音楽堂で開催され、国会方面へのパレードもあります。 (小針康子)