病棟から出て地域で暮らしたい~病棟転換型居住系施設を考える~
「病棟から出て地域で暮らしたい~病棟転換型居住系施設を考える~」集会が6月28日大和郡山市市民交流館で開催されました。精神科病棟転換型住居の問題は、今年1月にきょうされん奈良支部で学習会を開く予定でしたが、家族会の方から合同で開催できないか、と申し入れがあったこと、NDF(奈良障害フォーラム)結成が間近であったことなどから、今回の開催になりました。当日は、予想を上回る120人程の参加者があり、用意した資料が足りなくなりました。
吉池毅志氏の「地域移行支援型ホーム~病院敷地内グループホーム~の問題の本質はどこにあるのか」の講演は、多くのスライドを使用したものであり、分かりやすい言葉でお話をされました。住居の選択は人権問題であることを再確認できました。また、日本と精神科医療のタイプが似ているベルギーとの比較から、今後の日本の方向性を考えることが出来ました。
リレートークは、当事者・家族・支援者のそれぞれの立場から10分程度の持ち時間を有効に活かしたものでした。当事者は「いきいきと自由に楽しく暮らしている地域生活」を、話し、家族からは「普段の生活の様子と、病棟敷地内住居に対する複雑な思い」が赤裸々に語られました。支援者からは「福祉に資金を投じ、支援者が増えることで支援者が当事者に寄り添った密な支援が可能になり、医療費を削減できること。地域生活が可能になり易いこと」が伝えられました。まとめとして吉池氏から、「ここに集まった人の気持ちを結集していきましょう」と熱い言葉で締めくくられました。
精神科病棟転換型居住系施設を考える有意義な時間を持つことができました。 (麻 まり)