2014年1月、日本政府は障害者権利条約を批准しました。とりわけ第19条「全ての障害者が他のものと平等の選択の機会をもって地域社会で生活する平等の権利」が具体化するよう、地域のすみずみに署名を広げたいと思っています。
今次の署名の特徴の一つは、全国から上がってきている制度の綻び、現場からの具体的な要求が盛り込まれていることです。障害基礎年金の引き下げや消費増税によって厳しさを増す生活実態から、一人の市民として安心して暮らせるための所得保障や必要な支援は原則無料とすることが項目に上げられています。また、事業所報酬の日額制によって利用者支援が不安定になる実態、介護保険優先原則によって、65歳を超えた利用者が大変な利用者負担に苦しんでいる実態、地域活動支援センターの厳しい運営実態・・・など、みなさんが自分のことばで語り訴えられる請願項目となっています。
もう一つは精神障害者の病棟転換問題を取り上げたことです。障害種別に特化した項目は37年間のきょうされん署名の中ではありませんでした。それだけ、精神障害の問題は他障害と比べて施策が遅れ、病棟転換問題は看過できない重大な問題であるという認識から取り上げられました。
毎年毎年、全国で120万筆を積み上げてきた「ギネスもの」のきょうされん署名、今回も奈良支部で16000筆を目標に頑張りましょう。この一筆一筆が社会をかえていくことを信じて。
(小針康子)