『えほん 障害者権利条約』藤井 克徳 著 汐文社
このえほんは、障害者権利条約がまるで人となり、語りかけるような文章で書かれています。その分、権利条約がただ存在するだけでなく「生きている条約」であることをひしひし感じさせられました。
えほんなので、条約についての歴史や内容の伝え方がシンプルです。しかし、シンプルな中に考えるヒントや、意識していかなければならないポイントが沢山散りばめられています。かわいい絵柄と描かれる理想的な社会像とはうらはらに、条約ができたことに安心してこれから何もせずにいると、どんどん「守られない権利条約」になってしまう怖さが隠されています。権利条約が豊かな社会を作る要の条約であるために、わたしたちができることを、このえほんはやさしく教えてくれます。 (鍵山 奈緒子)