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奈良・障害者自立支援法訴訟の闘い〜真の自立をめざして〜 編集・発行:障害者自立支援法訴訟の勝利を目指す奈良の会
定価1,000円
2006年4月に施行された『障害者自立支援法』。
法の中ではこれまでの応能負担がなくなり、新しく応益負担となったため、受けたサービス費(1割負担)を支払わなければならなくなりました。
一部の障害者はサービス費が支払えなくなる事態となり、区市町村に対し、生活保護の申請をしなければ生活が困難になるという「障害者自立」の趣旨から逸れる事態となりました。また、施設も登録人数に応じて補助金を受けてきたが、新法では利用日数に応じて補助金を受けるようになったため、GW、お盆、年末年始、土日祝の休日や利用者が休まれたり、入院したりすると補助金が減少するとして年間の休日のいくつかを営業日に変えたりすることで減少した補助金をカバーしています。
しかし、営業日が増加すると職員の労働時間も増加
し、福祉現場の過酷な労働がさらに浮彫りとなっています。これらを違憲として全国で訴訟を提起し、国と闘ってきた記録であり、全国の原告団71名の1人である、奈良の小山冨士夫さんに焦点を当てた著書です。
著書では小山さん本人の思いや、訴訟を共に闘ってきた関係者のメッセージ等も掲載されています。
現在の訴訟は和解として終了しており、『障害者自立支援法の基本合意の完全実現をめざす会』が「私たち抜きで、私たちのことを決めないで」のスローガンと「ぼくは、国が本当に約束を守ってくれるか、ちゃんと見とどけます」の小山さんの想いとともに国に対し新法の制定を求めています。(前 史範)