画像クリックで拡大
4月29日に、奈良県コンベンションセンターで第24回きょうされん奈良支部総会を60人超で行いました。能登半島地震をテーマにした2つの記念講演が行われました。
最初に、きょうされん常任理事でJDF能登半島地震支援センター・スタッフマネージャーの大野健志さんが、「能登の歩みを未来へつなぐ~現地で見た『本当に必要な支え』とは~」と題して講演しました。大野さんは、阪神・淡路大震災や東日本大震災、熊本地震など長年の災害支援の経験を踏まえ、災害時には障害のある人が情報不足や避難生活の困難、人員不足などにより、より深刻な
状況に置かれる現実を報告しました。
また、JDFによる約2年間の能登支援では、事業所への職員派遣や個別支援、通院・買い物支援など、障害のある人の生活を支える活動が展開されたことを紹介しました。支援は単なる「災害対応」ではなく、一人ひとりの暮らしと尊厳を守る営みで
あり、被災地の復興には継続した伴走支援が不可欠であることを強調しました。
さらに、復興後を見据えた移動支援の仕組みづくりやAIオンデマンド交通への提言など、地域で暮らし続けるための制度づくりの重要性についても語りました。
続いて、天理大学人文学部社会福祉学科の北垣智基さんが、「能登半島支援活動と
実効性のあるBCPについて」と題して講演しました。北垣さんは、能登福祉救援ボランティアネットワークによる支援活動や、聴覚障害者支援施設「やなぎだハウス」の再建支援を紹介しました。被災により事業所の販路が途絶えた際、天理大学が駅前
ショップで約1年間にわたり製品を時限販売し、全国からの人的支援や製品販売支援、福祉仮設住宅の整備など、多様なネットワークによって事業継続が支えられた経過を報告しました。
さらに、BCP(事業継続計画)は「作ること」が目的ではなく、「実際に動ける
組織をつくること」が重要であると説明しました。研修や訓練、見直しを繰り返し
ながら、地域や関係機関との連携を含めた実効性のあるBCPへ育てていく必要性を
提起し、災害時にも利用者の命だけでなく、生活や尊厳を守り続けるという福祉の
役割について理解を深める機会となりました。
両講演を通じて、災害への備えとは計画書を整備することだけではなく、平時から
人と人とのつながりを築き、地域や全国のネットワークと連携しながら、誰一人
取り残さない支援体制を育てていくことの重要性が共有されました。参加者に
とって、能登半島地震の教訓を奈良での実践につなげる貴重な学びの機会となり
ました。